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現代都市政策研究会2020年2月例会感想

「 特殊清掃と看取り構図 ~特殊清掃の仕事を通して見えてくるもの~」を聞いて  K. S.        本会会員の中で特殊清掃を知っている人は何人いるでしょうか。恐らく会員の多くは、ご存じないものと思います。この感想を書いている私自身も講師をめた塩田洋行氏(武蔵合同会社共同代表)から話を伺うまでは全く知りませんでした。 塩田氏からは、①特殊清掃とは何か、②作業内容、③現場の作業員の危険性、④近隣住民の健康面への影響、⑤作業に要した用具等の処理方法等について説明していただいた。話していただいた内容は、①特殊清掃の現場は想像を絶する作業である、②作業の実態は、作業に従事している人から話を聞く機会がなければ決して知ることは出来ないものであると言える。今回、孤独死と特殊清掃について話を伺ったことは、現代社会の知られざる一端を知る機会を得たものと言える。 我が国では、家族構成の変化により、一人暮らしの高齢者が増加しており、孤独死及びそれに伴う特殊清掃は増え続けることが予想される。孤独死を防ぐためには、どうすればよいか。それには、①日頃から家族・親戚、友人等との連絡を密にしておくこと、②新聞配達人・郵便配達員等に見守りの役を担ってもらうこと、③一人暮らしの高齢者に地域のイベント等への参加を呼び掛けること、④家主(管理人)にも定期的に見守り・安否確認を行ってもらうこと等が考えられるが、完璧な回答はない。 孤独死は、現代社会の「闇」である。多くの人に、この「闇」の部分に目を向けて欲しい。孤独死は、決して他人事ではなく、「将来の我が身のこと」と認識すべきである。 2月例会のサブタイトルである「特殊清掃の仕事を通して見えてくるもの」は、①地域社会の変化に伴う個々の住民と地域社会との係わりの希薄化、②家族構成の変化、③家族・親戚、友人等との係わりの希薄化によってもたらされた悲劇と言ってもよい。