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現代都市政策研究会2019年12月例会案内

テーマ  『成年後見活動の現状と課題~成年後見制度の利用促進に向けたリーガルサポートの活動を通じて~』   講師  上山浩司氏 ( 上山法務事務所 司法書士・土地家屋調査士 )   高齢社会が進展する中、認知症、知的障害、その他の精神障害があることにより、財産の管理や日常生活等に支障がある人たちを社会全体で支える仕組みを整えることが喫緊の課題であり、また共生社会を実現にも資することになる。そのため、成年後見制度の更なる利用促進に向け、2016年 ( 平成28年 ) 5月には『成年後見制度の利用の促進に関する法律』が施行され、中核機関の設置や地域連携ネットワークの構築など基礎的自治体の果たすべき役割が明記されることとなった。  しかし、成年後見制度については、これまで、自治体の中でも生活保護、高齢、障害、精神保健といったほんの限られた部門でしか関りがなく、漠然とどんな制度かは知りつつも、後見活動そのものについてはほとんど知らないのが実態ではないだろうか。 12月の例会では、後見活動に日々取り組まれている上山司法書士をお招きし、制度の概要や法制定を踏まえた最近の動き、専門職集団 ( リーガルサポート ) の取り組み、実例を通じての成年後見制度・活動の現状や課題、どのように中核機関・地域連携ネットワークを構築していくのか、専門職から見てその中で果たすべき自治体の役割、さらには当事者の身上看護も含めた ( 成年後見制度はあくまでも法的なアプローチからの支援 ) トータルな利用促進に向けた展望などについてお話を伺います。 ( 文責 室地隆彦 ) 1. 日時 2019年 ( 令和元年 ) 12月8日 ( 日 ) 午後2時~午後4時30分 2. 場所 三鷹市市民協働センター2階第3会議室

現代都市政策研究会2019年度山梨県早川町合宿報告・感想

M.      O.  今回の早川町合宿では、NPO法人日本上流文化圏研究所 (上流研)の専務理事・事務局長の若林一彦さんに 11 月2日、3日の二日間にわたって、早川町を案内してもらいました。  上流研は、平成8年に策定された早川町の第4次総合計画に掲げられた理念「山村の暮らしに新しい価値を見出し、地域への誇りを取り戻す」を実現するために、当初は、町役場の一組織として「研究所」が設立されたものです。平成 11 年に任意団体として独立し、平成 18 年には、NPO法人化し、現在にいたっています。若林さんは、早川町の中学校の校長先生を退職された後、上流研の事務局長として活動されています。  都市研一行6名は、早川町役場前で、若林さんと落ち合い、若林さんに運転をいただくワゴン車で、まずは、町が設置し、 NPO が指定管理を受けるお蕎麦屋さん「そば処アルプス」でそば定食をいただき、腹ごしらえをしました。早川町は、まさにその名前のとおり、急流早川が町の中心を流れ、台風19号の影響で、土砂で濁った水が流れ、ところどころ土砂崩れもおこっている状況での視察となりました。 その後、中学校の廃校後、上流研の事務所がある交流センター研修室で若林さんのお話を聞きました。 早川町は、昭和の合併で、6ケ村が合併しできた町で、人口は約千人の日本一人口が少ない町で、36の集落が点在する山村です。平成8年の総合計画では、①「早川入り」=置かれた環境の中であるものを活かし、②「万能丸まんのうがん」=知恵や技術で工夫し自分たちで、③「ゆうげいし(結がえし)」=互いに協力しながらという山村における暮らしの知恵を活かすという理念を掲げました。研究所は、山村で暮らすことも幸福と考える人たちを増やしていくために、①山の暮らしの価値を伝える、②山の暮らしの担い手を育てる、③山の暮らしの課題を解決するというミッションをかかげ、ぶれずに、地道にとりくんできている姿を感じることができました。ミッションにしたがって、様々なプロジェクトを実現しており、山村留学の仕組みづくりや移住者の支援、そして、子どもたちの環境教育など、町と共に、研究所自らが実現していくということを旨としているとのことでした。 背景には、 10 期を勤める町長の強いリーダーシップもあるようです。また、町

現代都市政策研究会2019年9月例会報告・感想

『子どもの貧困と無料塾~無料塾「中野よもぎ塾」の活動を通じて見えてくるもの~』   Y.        k.    経済的な理由から塾に行けない中学生を対象にした無料学習塾、「中野よもぎ塾」を主宰する大西桃子さんから塾の内容と中学生の状況を 9 月例会で伺った。勉強を教えるだけでなくボランティアで集まった大人たちと関わることで子どもだけでなく大人も成長していく塾だという。子どもも大人も楽しむ無料塾が中野よもぎ塾と言えそうだ。 ■お金がないと救われない子どもがいる。塾の概要 「中野よもぎ塾」は 2014 年4月からはじまった。  きっかけは、塾に行かせたいけど経済的な理由で塾に行かせることができないと知人から相談され大西さんが家庭教師を始めたことだ。  始めてみると他にも同じような子どもが多いこと、その子どもの兄弟も必要としていること、塾代が高いことに気が付き、お金がないと救われない子どもたちがいることを知り何とかできないかと考えだした。当初は出版社に努めながら休日や早めに帰った日に対応していた。会社を辞めてフリーになったためもっと多くの子どもたちをみようと思ったが、仕事の忙しさは変わらないことから3人が限界だったため、塾にすることにしたのだそうだ。  塾の授業料は無料。経済的な理由で塾や家庭教師など有料の教育サービスを使っていない中学生が対象で 25 人の塾生を大人のサポーターが、ほぼマンツーマンで勉強を支援する。  塾生を 25 人としているのは、大人を含めると 50 名ぐらいとなることで会場の広さの問題から、この人数にしている。子どもを教えたいボランティアが多い場合は、ほかに事務的な作業などの手伝いもしている。  授業は、毎週日曜日の 18 時から 21 時に行われる。1、2時間目が通常の授業。3時間目に参加しているサポーターと塾生がディスカッションすることや創作活動としているのが特徴だ。外国人を呼んで自国の学校の話をしてもらうことや衆議院選挙での争点や少年犯罪と少年法などの話題を専門家の助言を受けながらサポーターも含めてのディスカッションをする。この3時間目は、サポーターのなかからやれる人が授業を考えるのが基本。毎週は難しいので英語や学習ゲームなどをする時もあると話されていた