現代都市政策研究会2019年6月例会感想

「生活の仕方を変えることにこそ温暖化対策・気候変動対策の極みあり」
                                           T.        M.
例会では、以下の内容がその骨子だったと思う。
(1)環境対策は「地球温暖化」対策から「気候変動」対策へ変化していること。
(2)東京都の気候変動対策は、業務・産業部門家庭部門運輸部門廃棄物などに対して施策が掲げられているが、CT(キャップ&トレード)制度は①の既存の大規模事業所(約1200事業所) の建築物を対象とした施策であること。
(3)東京都のCT(キャップ&トレード)制度は、オフィスビルを対象にした、世界初の都市型キャップ&トレード制度だったこと。(今は中国が進んでいる)
(4)CT(キャップ&トレード)の方法は、過去の排出量実績に応じて排出枠を設定し、削減義務量は削減計画期間を単年度ではなく5年間に設定することで、設備更新等の省エネ対策の柔軟な計画立案・実施を可能にしていること、また、排出量取引は、自らの省エネ対策で排出量を削減することが優先で、排出利用取引は、削減義務を履行していくための補完策の1つであること。そして、取引は、相対取引、取引価格は取引する当事者同士の交渉・合意により決定され、価格に対する上限価格、下限価格等の制約はないことなどが東京都のCT(キャップ&トレード)制度の特徴となっていること。
(5)さらに、今後、省エネ対策によるCO2排出量の削減に併せて、再生エルネギー利用の拡大により、CO2を限りなくゼロに近づけるというゼロエミッションの仕組みが東京でも取り入れられること。
私が東川さんのお話を伺って、なるほどと思ったのは東川さんのまとめの話。
「これまで公害対策について、オフィスや工場等の削減率を厳しくすることで対処してきた。そのためそれを維持するため莫大な経費(人とお金)をかけてきた。また、CT(キャップ&トレード)制度を例に挙げても、その内容が専門的で、特定の人しかわからなくなってきている。毎年出される報告書のチェックも外部に委託している状況」「規制による莫大な財政の投下(補助金等)は、今後、限界がくる。これからは生活のパターン、生活の仕方を変える必要があるのではないか」とのまとめの言葉だ。
まさに、「生活の仕方を変えることにこそ温暖化対策・気候変動対策の極みあり」なのだと感じた。

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