現代都市政策研究会2021年9月例会感想

     第一線で働く職員のストレス・不安と戸惑い・孤独感をどう和らげられるか 

T.         M.

 三鷹市社会福祉事業団の事業は、大きく介護・高齢者福祉部門と子ども・子育て部門(保育の運営等)がある。

介護・福祉者福祉部門では、(1)老人保健施設はなかいどう(入所サービス、ショートステイ、リハビリテーションの実施) (2)地域包括支援センター等3か所(担当地区の総合相談等)

(3)はなかいどう指定居宅介護支援事業所(ケアプランの作成) (4)ヘルパーステーションはなかいどう(介護保険による訪問介護の実施) (5)在宅福祉サービス(生活支援・食事の宅配などのサービスを実施)の5つを運営している。

9月例会では、この5つの事業の福祉サービスの提供がコロナ禍によってどのような状況になっているのかを伺った。特に、(2)から(5)は利用者の自宅へ伺いサービスを提供する事業であり、コロナ禍により、現場に大きな影響を与えている。特に印象に残ったのは、(3)のケアプランを作成する居宅介護支援事業所と(4)の実際に自宅訪問をするヘルパーステーションだ。

居宅介護支援事業所では、ケアプラン作成にあたって、国は電話聞き取りでよいとしているが、高齢者は、自宅に来てほしいという人が多いこと。新規の受け入れは、病院から退院し、介護保険を利用する人が多いいが、関係者とのカンファレンスができず、はじめて利用者と会えるのがサービスを開始した時になってしまっていること。また、これまでは利用者のみに気を使っていれば良かったが、コロナ禍でいつ誰が利用者と接触したかなども追っていかなければならず、家族関係にも気を付けなければならなくなったなど、とても厄介になっているとのことだった。

さらに、高齢者夫婦・娘・孫2人の世帯で、孫がコロナで陽性になり、高齢者夫婦をショートステイで預かった事例(「三鷹市介護者等の新型コロナウィルス感染に伴うショートステイ事業」)が紹介された。結局、自宅にいる娘も孫も高齢者夫婦の薬が取りに行けず、ケアマネージャーが薬を取りに行くことになった。(介護保険にはこのようなサービスはない)

ヘルパーステーションでは、高齢者のヘルパーが多い中、週1回、PCR検査を行い、マスク、フェイスシールドを着用し、自宅ヘサービス提供に伺っているが、例えば、原則1時間以内で終わらせなければならない買い物支援も時間内に終わらない状況もあるなど、現場の第一線で、一人で働いている福祉職職員のストレス・不安と戸惑いが続いているとのことだった。夫婦2人暮らし、夫が要介護5、透析週3回受けている世帯でコロナの疑いが生じた事例では、医師からPCR検査を勧められた。検査の結果、陰性となったが、福祉職が医師のいない現場に入る負担感はとても強いものがあり、結局、2(講師のお2)で現場に入ることにしたとのことだった。

コロナ禍の中、現場の第一線で、一人で働いている福祉職職員のストレス・不安と戸惑い・孤独感をどう和らげていけるのか、障害福祉で同じようなサービスの提供の仕事に関わっている私も改めて再確認できたお話でした。

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