現代都市政策研究会2022年1月例会感想
1月例会に参加して
A. I.
三鷹市民生委員の尾形邦子さんと本会の大石田久宗会員(三鷹市社会福祉事業団理事長)のインタビュー形式の対談に参加いたしました。緒方さんは、委員歴20年のベテランの民生委員です。公式の場以外で民生委員の方にお会いする機会は少なく、今回は具体的な日常の活動や本音も聞くことができ、地域福祉の現場でボランティアとして活動される苦労ややりがいなどをお伺いすることができました。
民生委員の仕事は多岐にわたります。自治体や社協に依頼される家庭訪問などの調査活動、相談や必要な人への情報提供や支援、関係機関や団体に対する連絡通報などきりがありません。しかも、生活福祉も高齢者や障害者、児童や学校、全て縦割りの役所の依頼を一手に引き受けることになります。民生委員は、組織で活動するのではなく、ひとりひとりの責任で単独行動が原則です。
家事や仕事となんとか折り合いをつけて、仕事をするわけですが、見守りなどこれで十分ということがありません。訪問する場合も周りに自分が民生委員であることを気づかれないような気配りが必要で、相手がどういう人かもわからないという不安もあります。三鷹市の民生委員は、一人で平均1000世帯近くの担当地区を抱えています。市から預かった要支援者名簿も十分に活かしきれないという悩みもあります。都市では、こうしたボランティアを支えるコミュニティや近隣が脆弱です。今回のお話で、各地区の包括支援センターの役割が大変大きいと感じました。行政よりも包括や社協が民生委員の現場を支えているという感じがしました。
最後に「あなたはなぜ民生委員をしているのですか。」の問に対して、「私はおせっかいなんですよね。」と尾形さんは答えられました。得か損かでしか物事の判断をしない人が多い今の世の中で、困った人を見たらほっとけないというおせっかいな人たちによって、地域の福祉は支えられていることを痛感いたしました。
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