現代都市政策研究会2022年6月例会感想

         「女性活躍と子育ての両立に必要なこととは?」を聞いて

                                        M.      K.  今回、子育てと仕事を両立させる現役ママさんの常盤様からリアルで率直なお話を伺うことができた。20代半ばの独身男性の私にとっては、聞きなれない言葉や想像もしなかった子育ての苦労や制度、考え方に触れることができ、知見が深まった。本例会の常盤様の講義及び意見交換を踏まえて私自身が感じたこと考えたことを、家族・家庭面、職場環境面、行政施策面の3つの視点から感想を述べたい。

まず、1つ目は家族・家庭面である。子育ては義務であり責任が伴うとの話があったが、子供がいることでの様々な苦労があることが分かった。特に「孤育て」というワードは初めて見聞きしたが、ママが育児をするなかで孤立することで産後うつ等のリスクにつながる危険があることを知った。この問題についても、ママが一時的でも子育てから解放される時間を作るように男性側が意識してサポートすることで解決しうる問題であると感じた。そして何より子育てと仕事の両立のためにはパートナーの協力や両親などからの支援も重要と分かった。両親・義理の両親が面倒を見てくれる場合に、手伝ってくれるけども口も出すという話があったが、この時に男性側としては男性側の親が過度にパートナーの女性の子育て方針等に口を出しすぎないようにしつつ、親の協力を取り付けつつも適度な関係を築くマネジメントなども重要になるのではと感じた。

ところで、アウトソーシング(外部委託)していくこととの話があったが、これは子育てと女性活躍の両立を目指すうえで重要と感じた。公的サービス、民間サービス、ロボット掃除機や食洗器、時短調理器具などのテクノロジーなどをうまく活用し、伝統的な価値観とされるものに捉われ過ぎない現代の育児の形を模索していくことが必要と感じた。

続いて2つ目に職場環境についてである。寛容さとお互い様という気持ちが重要と感じた。特に育児や介護、病気など様々な要因でいつ十分に働けなくなるかはわからないものであり、皆が「順番」なのだという気持ちのもと寛容さをもつことが育児をする者のみならず、すべての勤労者にとって心理的安定性につながると考える。ところでこの問題は組織マネジメントや上司のマネジメントの問題でもあると強く感じた。私の所属する部門では将来的に更なる人員の削減を目指しており、今まで以上に職員1人あたりに求められる力が大きくなると思われるが、そうなると人員の余剰がないことで、育休や育児、介護を行う者への風当たりが強くなることも危惧される。その際に、組織的な人事の仕組みの中で人員の補填などを行うシステムが無いと現実問題として、寛容な姿勢にはなりにくいと考える。組織や管理職は、職員が育児や産休、介護休暇をとっても業務継続に支障をきたさない体制や環境を作ることが重要と感じた。

最後3点目は行政施策面についてである。自分自身はこの分野に仕事上で関わってはいないが、自分にとって子育てはどうしても「他人事」になってしまうため、行政サービスが当事者のニーズとアンマッチが無いようにすることは非常に難しいと感じた。例えば広い園庭を備え質の高い教育を提供する保育施設をアクセスの悪い郊外に整備したら、どんなに良いサービスを行ってもアンマッチになるだろう。施策を行うためには当事者の声をよく調査することが重要だと感じるとともに、大石田先生のトワイライトスティの話のように、要望はあるが実際の利用は無いということで、一筋縄では行かないのだなと感じた。一方で、行政として、幼児向けのイベントなどの場づくりや病児保育や利便性を高める仕組みづくり、手続きフローの見直しや職住近接が可能となるような企業誘致、子育て世帯への経済的支援の仕組みなどを整備していくことは可能であるのではと思った。

以上五月雨式でまとまりの無い内容の感想になってしまったが、本講義は非常に勉強になるものであった。自分自身はこのまま独身貴族のままかもしれないが、今日聞いた話を生かして、職場で育児をされる方や育休を取る方に対して、自分が少しでも理解をもってサポートする側に回れるようにしたいと思う。また、今後もし子育て施策に関わる部署に異動した際には子育て世帯の苦労を念頭に置いて市民サービスにつなげていくことができればと思う。

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