現代都市政策研究会2023年1月例会感想

              認識が改まった理学療法士という仕事

A.    I.

 理学療法士のお仕事というと、病院のリハビリ程度の認識しかなかった私ですが、中村さんのお話を伺ってかなり認識を改めたというのが実感です。実は10年ほど前に妻が人工股関節の手術を受け、1月ほど入院しましたが、手術の日を除けば、退院まで毎日理学療法士のお世話をいただて杖があれば普通に歩けるようになりました。医師だけでは日常生活を遅れるようにはなりません。

今回のお話でPTの仕事は、進行性の病気も含め、介護がなければ生活が困難な方まで少しでもクオリティ・オブ・ライフを上げるための取り組みをしていることを知りました。中村さんは、「治療的な視点だけでは仕事にならない。」と、本人と家族の求めるものを知り、看護士、介護士、ケアマネ、ソーシャルワーカーといった専門職との連携の大切さを指摘されました。誠にその通りです。

話の中で、本人の求めるものの中には仕事というのもあり、ここまで対応を考えるのは本当に大変だなあと感じました。と言うのは、たまたま昨年、地元の精神障害者の社会復帰をサポートする福祉法人の社会福祉士から、私の会社(大沢ガーデンという造園会社を営んでいます。)に30代の通所者をアルバイトとして雇ってもらえないかとの依頼を受けたのです。アルバイトですから、草取りや枝ゴミの片づけなどが主な作業です。本人は少し重い発達障害があり、コミュニケーションを取るのが苦手です。B型で10年以上通っていますが、外で働いて相場のアルバイト料を稼ぎたいと、職員に連れられ、思い切って私のところに来ました。いきなり現場というわけには行きませんので、しばらく私と一緒に草取りの練習をしませんかと提案したところ、同意してくれました。会社の前には都道の緑地となっている300坪ほどの芝地があります。毎朝そこの草取りをするのが私の日課になっていますが、1,2週間に1回、2時間ほど一緒に草取りをすることになりました。(実費として2000円お支払いすることもきめました。)目標は、アルバイトとして稼げるスピードとクオリティです。彼とは5ヶ月間、草取りをしましたが、結局本人から辞退の申し出がありました。

地元の知的障害の福祉法人の経営にも少し関わっていることもあり、障がい者雇用の大切さをわかっているつもりなのに、自分の会社でできないことのやるせなさを感じた一件でした。狭い専門性に留まることなく、広く課題を捉え、日々の仕事に取り組んでおられる中村さんに少し勇気をいただきました。

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