現代都市政策研究会2024年4月例会・まち歩き感想

 「西荻窪駅周辺のまち歩き~西荻ちず部の活動とユニークな地図を使ってのまち歩き」 に参加して  

                                        T.     I.

 今回、事前に西荻ちず部の地図を拝見すると、ゆるい雰囲気、遊び心がふんぷんとしつつも、完成度の高い印刷物としてかっこよく出来上がってもいて、そう、我々が慣れ親しんできた「公共的目的のためにマジメに活用するまちづくりツールとしての地図づくり」臭が希薄なところに、大いに興味を惹かれたのでした。一体どんな人たちが、何の目的でこのような地図をつくっているのだろうか? などと思いつつ、西荻窪駅からほど近いNPO法人ぷれまさんを訪ねたのでした。

 というわけで、興味津々のうちに始まった西荻ちず部についてのレクチャー。そもそもの始まりは、杉並区社協の地域サロン事業に集まった人たちが、自然に話がはずむ工夫を考案する中で、デジタル上での地図づくりが案外面白いぞ! というところからだそう。そうして最初につくったのが「15時でもごはんが食べられるお店ちず」。部長のフジタさんがランチタイムを逃しがちなことから発案したテーマだそうで、西荻窪駅周辺の地図に48店の名前と位置が載っていますが、「やってなかったら他のお店に行ってみて」と定休日や営業時間、電話番号などは載っていません。これは、もしも誤記、誤植や営業日時の変更があった場合に、地図を使う人や協力してくれたお店が迷惑する事態を生みたくない、と敢えてそうしたとのこと。これを皮切りに、「数のあるとこちず」「色のあるとこちず」「一文字のとこちず」・・・とテーマを変えながら地図をつくってきた西荻ちず部の活動ポリシーは、いろんな人と一緒につくりたい(イシカワ注;特定の人の労力やスキルに過度に依存しないやり方を工夫する)、義務で活動しない(同;各人が自主性をもって楽しく活躍できるよう工夫し補いあう)、公平にまちと接したい(同;西荻のまちを構成するヒト、モノ、コトを区別したり排除したりしない)、そして、正しい地図より楽しい地図をめざしたい! だそうです。

ゆるっとして見えた西荻ちず部ですが、西荻のまちが好きな仲間とつながって、楽しい時間、体験を共有したい、そのための地図づくりだ、という明確な意思が、実は活動の軸となっていることが、とても印象的でした。そしてそれは、西荻ちず部の母体であるNPO法人ぷれまさんの掲げるテーマ「たのしいは役に立つ」につながっているのですね。地図づくりを通じて「たのしい」を共有した皆さんのゆるやかなつながりが、これから西荻のまちをどう動かしていくのか? その可能性にますます興味津々です。

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