現代都市政策研究会2025年5月例会感想

    現場目線で捉えた振興策の数々

                                                            T.      M.        

 総会後の5月例会では、「商店街振興における課題と解決策~商店会の意義と時代の変化に対応した支援策~」と題して、練馬区の澁谷 亮さんからお話を伺った。

澁谷さんが商工観光課で商店街振興に携わった2018(平成31)2024(令和6)間は、ちょうどコロナ禍前、コロナ禍、コロナ禍後の時期にあたり、この時期を3つに区分して、商店街・商店会にどんな課題や変化が起こり、それに対してどのような解決策に取り組んできたかが整理されての発表だった。

例えば、一つの個店や商店会の努力だけでは厳しい現状を踏まえ、コロナ禍後は個店経営者同士、または商店街同士が連携する事業の支援を開始している。

また、ワンオペで営業する個店が増える中で、イベントに参加するためにはお店を休業しなければならない。そのためイベントと店舗営業の両立を図るために、イベントの運営委託や補助金申請手続きにかかる費用も補助対象に加えている。

まさに、渋谷さんの発表の副題にある「時代の変化に対応した支援策」を垣間見せてもらった。

また、渋谷さんの発表の中で感じたことが2つあった。

ひとつは、商店街を地域のにぎわいの創出、地域コミュニティの醸成、防犯・安全・安心への寄与などの観点から、とても重要な存在と捉え、大事にしていることである。(副題にある「商店街の意義」)

そのため、お金(補助金)だけではなく、人(地元事業者、ボランティア団体、NPO法人など)、もの(区が所有するもののイベントへの貸与)、情報の提供(区内好事例の情報提供など)など多角的に区がコーディネーター役として支援を担うべきと話をされていた。

もうひとつは、質疑の中でもあったが、「様々な施策のアイデアはどこから出てくるのか」との問いに、「担当地区がエリアに分かれおり、エリアのイベントは見るようにしていること。また役員さんの店に立ち寄るなど時間外の方が店のこだわりが聞ける。それらを踏まえてどのような支援をしたら良いか考えている」とのこと。まさに現場目線から振興施策を打ち出しているという、澁谷さんの仕事に対する姿勢も伺われた発表でした。

澁谷さん、お疲れ様でした。

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