現代都市政策研究会2025年6月例会感想
時代は巡る。また市民運動を促す組織が重要になる時が来るのでは
A . A.
6月の定例会では、「アリスセンターがめざした自治型社会とアドボケート型のNPOの存立を考えるー」と題して、元NPO法人まちづくり情報センターかながわ(アリスセンター)理事 岡田 実様にご講演いただきました。
アリスセンター(まちづくり情報センターかながわ)は、市民活動が活発であった1988年に設立され、情報交換の拠点、さまざまな市民活動の事務局業務などを担う組織として始動しました。
メンバーの新陳代謝がなされるように理事の任期を2年とし、再任も1度だけに制限したり、行政からの受託は受けずに費用を工面するなど、理想高き団体でした。
しかし、その理想を実現することは容易ではなく、組織の形態を任意団体、有限会社、NPOと変化させながら活動してきましたが、2023年に35年にわたる歴史の幕を下ろしました。
定例会で最も多かった意見は、解散してしまったのは非常に残念、何とか続けることは出来なかったのか、というものでした。
理事の再任の制限が厳しすぎたのではないか、行政からの受託を受けるべきだったのではないかなど、改善できそうなところは多くありそうでした。
私もアリスセンターのような志高き団体が解散してしまったのはとても残念に思いました。一方で、アリスセンターの設立当時はまだ行政が成熟しておらず、市民も自分の意見を行政に反映させたい気持ちが強かったけれど、現代はかなり成熟した社会となり、一般的な市民はそこまで行政に求めていないのではないかとも思います。
そのような社会では、アリスセンターのように市民の活動を促すことがメインの団体の存続は、理事の再任や行政からの受託を受けたとしても難しかったのではないかと思いました。
アリスセンターの設立当時は市民活動や行政において重要な役割を担っていたはずで、解散された時もおそらく大事な組織である認識はあったと推察しますが、それでも解散は必然だったのではないでしょうか。
そう思うととても切ないですが、時代は巡るものなので、またアリスセンターのように市民運動を促す組織が重要になる時が来るように思います。
その時は、アリスセンターの教訓を生かしていけるよう、アリスセンターの軌跡を胸に刻みたいと思いました。
岡田様、貴重な経験談をご講演いただき、本当にありがとうございました。
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