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現代都市政策研究会2025年9月例会案内

  テーマ「学校教育における DX の活用~小中学校の児童生徒 一人 1 台タブレット端末の導入について~」 講師 河合 亮氏 ( 三鷹市教育委員会総務課 教育センター所長(課長補佐 ) )   小・中学校の授業環境は私たちが授業を受けていた頃から比べ、様変わりしており、公立学校においても、 ICT の活用が当たり前のようになっています。そのきっかけの一つが国のGIGAスクール構想に基づく、1人1台タブレット端末の導入です。 今回は、三鷹市における教育 ICT の取り組みとして、1人1台の学習用タブレット端末導入の背景や成果、教育委員会の今後の取組みについてご説明するとともに、教育現場のシステム担当者がどのような業務を行っているのか、抱えている課題や協働する企業との連携、導入事例などを通じて、教育現場における ICT 整備の実態をご紹介します。(文責 河合 亮)   1. 日時   2025 年 9 月2 8 日 ( 日 )  午後 2 時~午後 4 時 30 分  2. 場所  三鷹市市民協働センター 2 階第 3 会議室         ( 三鷹駅南口から徒歩で 15 分程度かかります )

現代都市政策研究会2025年7月例会感想

  7月例会に参加して O,       Y.  7月の例会は、成年後見を手掛けておられる古川健太郎弁護士による成年後見制度の仕組みの実態と課題についてお話を聞く機会を得た。筆者は、成年後見制度が市民にもっと普及し、より使いやすいものにならないものかという考えを持っていたので、この機会に学ばせていただこうと思い参加した。  成年後見制度が、それまでの禁治産者制度に代わって新たにスタートしたのは 2000 年であった。「新たに」といってもすでに四半世紀前のことであって、当日、熱心に参加されていた若い会員の皆さんにとっては、このような制度変更は歴史的な知識のひとつなのかもしれない。  近年は親族が後見人になるよりも、弁護士や司法書士などの専門職による後見の割合が増加しているとのことであった。専門職の事務所経営という視点からすれば、現在の標準的な報酬額が十分であるとはいえないと理解した。リーガルサービスとして質の高い仕事を行うためには、必要な報酬が保証されないまま、やりがいや社会貢献という動機だけでは長続きはしない。被後見人本人の意思の尊重するためには定期的な面会を行いつつ、ときには金銭を巡って親族との難しい折衝を進めることも多いそうだ。親族は潜在的な相続人であるから、なるべく本人(潜在的な被相続人)の預貯金・年金の目減りを避けたいのも無理はない。しかし、本人の望む生活をさぐり本人の意思を尊重するためには、専門職が盾にならなければいけない場面がある。つまり、権利擁護である。そして、成年後見制度の最も有力な担い手である専門職の参入を確保していくには、制度運用にかかる費用すなわち、報酬のあり方について避けて通ることはできないだろう。誰しも年をとり判断力は衰える。誰しも障がいや疾患を抱えることもある。ささやかであっても自分の財産が子どもたちのもめ事の種になってほしくはないと。だから、成年後見制度は国民に提供される社会的サービスの一つであると理解されるべきである。  折しも、法務省では、成年後見制度の変更となる「民法(成年後見等関係)等の改正に関する中間試案に関する意見募集」を8月 25 日まで実施中である。ここはひとつ、パブコメに対して、専門職の参入促進のためのインセンティブ方策が必要である-といった内容を出し...

現代都市政策研究会2025年7月例会案内

  テーマ 「成年後見制度の現状と課題、制度見直しを考える」 講師  古川健太郎 ^ 弁護士  ( 弁護士法人ひまわりパートナーズ 八王子 ひまわり法律事務所 ) 現在、国では、 2027 年を目途に、現行の成年後見制度について、必要な課題があるときに必要な期限に限定して利用できる「スポット的な制度」への見直しの検討が進められています。 その趣旨は、「地域権利擁護支援を地域へ」と受け止めています。しかし、私も社会福祉協議会で地域福祉権利擁護事業などに関わってきましたが、なかなか支援員等の現状などからするとすぐには地域の受け皿として拡大できず、また「親亡き後」を考え成年後見制度の利用に踏み切った両親等の思いなどを考えると、現状のままの制度移行は、厳しいものがあるというのが率直な感想です。 そんな状況を踏まえ、実際、専門職後見人として後見活動などもされている古川弁護士から現行の成年後見制度の制度概要、手続き、現行制度の課題、実際、後見活動に関わってみての課題、さらに成年後見制度の見直しが進められている中で感じられること ( 危惧されること、また強化しなければいけないことなど ) について、お話を伺います。 ( 文責 室地隆彦 )   1. 日時    2025年 ( 令和 7 年 )7 月2 7 日 ( 日 ) 午後2時~午後4時30分   2. 場所   三鷹駅前コミュニティセンター 4 階会議室 (2)

現代都市政策研究会2025年6月例会感想

  時代は巡る。また市民運動を促す組織が重要になる時が来るのでは   A .      A. 6月の定例会では、「アリスセンターがめざした自治型社会とアドボケート型の NPO の存立を考えるー」と題して、元 NPO 法人まちづくり情報センターかながわ ( アリスセンター ) 理事 岡田 実様にご講演いただきました。 アリスセンター ( まちづくり情報センターかながわ ) は、市民活動が活発であった 1988 年に設立され、情報交換の拠点、さまざまな市民活動の事務局業務などを担う組織として始動しました。 メンバーの新陳代謝がなされるように理事の任期を2年とし、再任も1度だけに制限したり、行政からの受託は受けずに費用を工面するなど、理想高き団体でした。 しかし、その理想を実現することは容易ではなく、組織の形態を任意団体、有限会社、 NPO と変化させながら活動してきましたが、 2023 年に 35 年にわたる歴史の幕を下ろしました。   定例会で最も多かった意見は、解散してしまったのは非常に残念、何とか続けることは出来なかったのか、というものでした。 理事の再任の制限が厳しすぎたのではないか、行政からの受託を受けるべきだったのではないかなど、改善できそうなところは多くありそうでした。   私もアリスセンターのような志高き団体が解散してしまったのはとても残念に思いました。一方で、アリスセンターの設立当時はまだ行政が成熟しておらず、市民も自分の意見を行政に反映させたい気持ちが強かったけれど、現代はかなり成熟した社会となり、一般的な市民はそこまで行政に求めていないのではないかとも思います。 そのような社会では、アリスセンターのように市民の活動を促すことがメインの団体の存続は、理事の再任や行政からの受託を受けたとしても難しかったのではないかと思いました。 アリスセンターの設立当時は市民活動や行政において重要な役割を担っていたはずで、解散された時もおそらく大事な組織である認識はあったと推察しますが、それでも解散は必然だったのではないでしょうか。 そう思うととても切ないですが、時代は巡るものなので、またアリスセンターのように市民運動を促す組織が重要になる時が来...

現代都市政策研究会2025年6月例会案内

  テーマ  吉田忠彦「NPO支援組織の生成と発展-アリスセンターによる 市民活動支援の軌跡」( 2024 年有斐閣)―アリスセンターがめざした自 治型社会とアドボケート型の NPO の存立を考える- 講師   岡田 実会員 ( 公益社団法人神奈川県地方自治研究センター 研究員、元川崎市職員 ) 近畿大学の吉田忠彦さんは、 NPO の支援組織である「まちづくり情報センターかながわ(略称「アリスセンター」)」の 35 年間の活動を丁寧に追いながら、非営利組織における組織と人の関係について考察している。 アリスセンターは、正式名称は、「まちづくり情報センターかながわ」といい、 1988 年に神奈川県横浜市で任意団体として設立され、 NPO 法施行後、 1999 年には特定非営利活動法人となり活動してきたが、 2023 年7月 15 日に臨時総会にて解散が決議され、 35 年にわたる歴史の幕をおろした法人である。同法人は、その 35 年の歴史の中で、任意団体、有限会社、 NPO と法人形態が変化するともに、また、理事は、任期制限により定期的に交代し、事務局長も一定期間で交代をするなど「さまざまな人びとの思いや価値観、あるいはロジックが持ちこまれ、それを実現するための活動が模索され、実践されながら修正されたり、立ち消えになったりする」という変化もあり、アリスセンターは、「個人」と「組織」との関係を考察するうえで格好の法人であったともいえる。 私は、アリスセンター設立時からの会員で、解散する段階では、法人の副理事長を務め、解散事務意を担ってきた。 定例会では、吉田忠彦さん著書の書評を報告するとともに、「なぜ、アリスセンターは解散せざるを得なかったのか。その原因分析」、「アリスセンターの組織マネジメントに問題がなかったのか。」「残された課題、アリスセンターが生み出した『新たなロジック」は何なのか」について、私なりの考察を加えて発表します。 あらかじめ、下記の私の書評を一読いただけると良いと思います。HPからダウンロードできます。 ◎岡田実「『書評 吉田忠彦 NPO 支援組織の生成と発展 ─ アリスセンターによる市民活動支援の軌跡』─アリスセンターがめざした自治型社会とアドボケート型 NPO の存立を考える ─ 」  自治研か...

現代都市政策研究会2025年5月例会感想

     現場目線で捉えた振興策の数々                                                             T.      M.            総会後の 5 月例会では、「商店街振興における課題と解決策~商店会の意義と時代の変化に対応した支援策~」と題して、練馬区の澁谷 亮さんからお話を伺った。 澁谷さんが商工観光課で商店街振興に携わった 2018 年 ( 平成 31 年 ) ~ 2024 年 ( 令和 6 年 ) 間は、ちょうどコロナ禍前、コロナ禍、コロナ禍後の時期にあたり、この時期を 3 つに区分して、商店街・商店会にどんな課題や変化が起こり、それに対してどのような解決策に取り組んできたかが整理されての発表だった。 例えば、一つの個店や商店会の努力だけでは厳しい現状を踏まえ、コロナ禍後は個店経営者同士、または商店街同士が連携する事業の支援を開始している。 また、ワンオペで営業する個店が増える中で、イベントに参加するためにはお店を休業しなければならない。そのためイベントと店舗営業の両立を図るために、イベントの運営委託や補助金申請手続きにかかる費用も補助対象に加えている。 まさに、渋谷さんの発表の副題にある「時代の変化に対応した支援策」を垣間見せてもらった。 また、渋谷さんの発表の中で感じたことが 2 つあった。 ひとつは、商店街を地域のにぎわいの創出、地域コミュニティの醸成、防犯・安全・安心への寄与などの観点から、とても重要な存在と捉え、大事にしていることである。 ( 副題にある「商店街の意義」 ) そのため、お金 ( 補助金 ) だけではなく、人 ( 地元事業者、ボランティア団体、 NPO 法人など ) 、もの ( 区が所有するもののイベントへの貸与 ) 、情報の提供 ( 区内好事例の情報提供など ) など多角的に区がコーディネーター役として支援を担うべきと話をされていた。 もうひとつは、質疑の中でもあったが、「様々な施策のアイデアはどこから出てくるのか」との問いに、「担当地区がエリアに分かれおり、エリアのイベントは見るようにしていること。また役員さんの店に立ち寄るな...

現代都市政策研究会2025年度総会&5月例会案内

 現代都市政策研究会2025年(令和7年)度総会ならびに5月例会開催のご案内 現代都市政策研究会総会ならびに例会を下記の通り開催いたしますのでご出席下さい。 ■日時  20 25 年(令和 7 年)5月2 5 日(日) 午後 1 時 30 分~午後4時 30 分 ■場所  三鷹駅前コミュニティセンター4階 会議室 (2)    ( 1 ) 202 5 年 ( 令和 7 年 )度総会    午後 1 時 30 分 ~午後2時 15 分   ( 議題 ) ①   2024年(令和6年)度活動報告、決算報告 ②   2025年(令和 7 年)度活動計画案、予算案 ③ 2025年(令和7年)度役員選出 等 ※当日、総会に欠席された方については、議長に一任して頂いたものとさせて頂きます。 ( 2 ) 5月例会    午後2時 15 分~午後4時 30 分 テーマ 「商店街振興における課題と解決策」 講師 澁谷 亮氏 ( 練馬区職員・ ( 派遣 ) 東京都総務局行政部区政課都区財政調整担当) 住民が、生活に必要なものを揃える場であった「商店街」は、時代の流れとともに、スーパーやコンビニエンスストア、大手チェーン店などが進出し、変化してきている。  「昔ながらの商店街」の姿は、徐々に減ってきてしまっているが、一方で、商店街の会員店舗が一丸となって新しいことに挑戦したり、個性的で魅力ある個店が出現するなど、時代の変化に合わせながら、商店街周辺地域の賑わい創出に取り組む姿が見られる。  そして、行政は、商店街と一定の距離感を保ちながらも、このような積極的な取組みを後押しし、連携を深めることで、地域の活性化を図っている。  今回は、練馬区で、コロナ禍を挟んだ6年間、商店街振興施策に携わってきた経験を基に、行政の商店街支援は、どのようなものなのか、課題への対応はどのようにしていたのか、今後の商店街はどのように変化していくのかを発表する。 ( 文責 澁谷 亮 )